終活という言葉が普及して久しいですが、終活で中心的に行われるのが生前整理です。生前整理をすることは自分の身辺を整理することで、死後、遺族が行う遺品整理の負担を減らすことだけではなく、生前整理を行った後、改めて人生のリスタートを切れる良いきっかけにもなります。
しかし生前整理で行うことはかなりの時間・体力を要することが多いです。例えば、生前整理で不要になった家具や家電等の処分は個人で行うには難しい行為です。その他にも時間・体力を要する多様な作業があります。そのため、昨今、生前整理を行う多くの方は、生前整理を業者に依頼し、大部分の作業を代行しています。しかし、生前整理を業者に依頼し、代行してもらうということには以下のような疑問や不安があります。

生前整理って
何をすれば良いの?



生前整理業者の選び方が分からない…



業者を選ぶ時、注意すべき点は何?
以上のような疑問や不安を中心にわかりやすく解説していきます。
【本記事のポイント】
- 生前整理について
- 業者に依頼する時必要なこと
- 作業当日の注意点
生前整理とは


生前整理とは、認知機能や身体機能が衰える前に身の回りの持ち物や財産関係を整理することです。
健康のうちに生前整理を行うことで、体力的、時間的に余裕があるうちにご自身が自分の意志で遺しておきたいもの、家族や友人に遺したいもの、必要でないものを判断することができます。生前整理はなるべく身心が健康の内から行うことに損は無いでしょう。
また、生前整理を行うことで死後、発生しやすいトラブルを未然に防ぐことができます。
生前整理でしなければならないこと


生前整理では多くのしなければならないことがあります。
生前整理で最も優先度が高いのは、財産関係の整理です。
人が亡くなった後、最もトラブルに発展しやすいのが故人の財産についてです。その際、トラブルを未然に防ぐために必要なのは健康で判断能力が衰えていない内に生前整理を行い、自身の財産についての分配を決めておくことです。そうすることで、死後、近親者間のトラブルにならないように財産の整理、把握、明確にしておくことが大切です。
加えて、以下の物が財産関係の整理で注意しなければならない物になります。
- 現金
- 通帳
- キャッシュカード
- クレジットカード
- 土地や家屋に関する書類
- 重要な契約書
- 領収書
- 請求書
- 借入金・ローンの書類
- 市場価値の高い貴金属や美術品、ブランド品
財産で整理する必要があるのは上記の物です。それらの物をきちんと把握、仕分けできたら、いつ何があっても困らないように物や書類等の残さなければいけない物の種類や個数、どこに保管しているか等の財産目録を作っておくことが大切です。
また、近年ではデジタル遺品の整理も必要になっています。
デジタル遺品とは主に以下の物になります。
- SNSアカウント
- ネットバンキングの口座
- サブスクリプションサービスの登録
- パソコン・スマートフォンの写真やビデオ
- アプリデータ等のデジタルデータ
SNSのアカウントやネットバンキングの口座、月額料金の発生するサブスクリプションサービス等を把握、整理しなければなりません。また、パソコンやスマートフォンに残っている写真や連絡先、アプリデータ等のデジタルデータも整理しなければいけないでしょう。
特にネットバンキングの口座やサブスクリプションサービス等は把握をしなければ、解約するまでに永続的に支払わなければいけない金銭が発生してしまうので、早めに解約しなければなりません。
ここまでは主に財産関係や情報に関することについて説明しましたが、実際の生活に使う家財道具や写真等の整理や仕分けももちろん必要です。
大切なのは判断力が衰える前に、遺言書やエンディングノートを作成することで、そしてそれらの存在を周りの方と共有しておくことが大切です。
以上のことに加え、以下の記事では生前整理で行うことについて詳しくまとめています。
是非、ご参照ください。


生前整理を業者に依頼する場合
ここまで生前整理の財産や情報関係の内容について説明してきましたが、上記の内容を生前整理業者に代行することも可能です。生前整理業者が提供するサービスは多種多様で遺言書やエンディングノートの作成を手伝ってくれる業者もあります。もし生前整理を業者に依頼する際、生前整理業者が主に提供しているサービスについて解説します。
生前整理を業者に依頼することで業者が主に代行してくれることは2つあります。
日用品や家財道具の整理・処分
1つ目は、日用品や家財道具の整理・処分です。
個人で生前整理を行う際、最も困難な作業のひとつは家財道具の処分です。特に高齢者で近親者が近くに住んでいない場合、大型の家具や家電を個人で処分することは不可能に近いです。生前整理を業者に依頼することで必要なものと不必要なものを仕分け、不必要なものは処分、必要な物は今後、生活しやすいように整理整頓をして部屋に再配置してくれます。
間取り別の日用品や家財道具の整理・処分の費用は以下の通りです。
間取り | 作業人数 | 費用 |
---|---|---|
1R~1K | 1~2名 | 4~8万 |
1DK~1LDK | 2~4名 | 7~20万 |
2DK~2LDK | 3~6名 | 12~30万 |
3DK~3LDK | 4~8名 | 25~50万 |
4LDK~ | 6~10名 | 30万~60万 |
2つ目は、不用品の買い取りです。
日用品や家具の整理を行った後、生活に不必要になったものを業者が処分する中で、処分する不用品の中で価値がある例えば発売から5年以内の家電、きれいな家具、貴金属やブランド品等の貴重品、値段が付く物を業者が買い取ってくれる場合もあります。
主に以上の処分・買い取りを中心としたサービスを生前整理業者が行ってくれます。
生前整理業者に依頼する際の費用について以下の記事に詳しく記載しています。ぜひ、ご参照してください。


生前整理業者の選び方


生前整理を行う業者は数多く存在します。その中には優良な業者もいれば、依頼することでトラブルに発展してしまう可能性がある悪徳業者も多く存在します。
悪徳業者に依頼してしまった場合、生前整理そのものが終わらなかったり、後々遺恨を残す長期間に渡るトラブルに発展してしまうこともあります。今後、そのようなトラブルに巻き込まれない様に、優良業者と悪徳業者を見分けるいくつかの方法を紹介します。
悪徳業者の見破り方


生前整理を代行する業者は大小問わず多くの業者が存在し、そのすべての業者が安全で優良な業者とは限りません。
数多ある業者の中には依頼してしまうとトラブルに発展する危険性が高い悪徳業者も多く存在します。そのような業者に依頼しない様に悪徳業者か見破るためのポイントをいくつか紹介します。
インターネットで検索する
1つ目は、依頼しようと思う業者名をインターネットで検索しましょう。
インターネットで検索することで依頼したい業者についての情報や評判を調べることができます。
その際、業者についての情報が少ない、もしくは全く無い場合はその業者は悪徳業者の可能性が高いので依頼しない様にしましょう。
悪徳業者はインターネット上に自社の悪評が広がるのを防ぐために、企業のホームページやSNSが無いことが多いので、インターネット上に情報がない業者に関しては依頼しない様にしましょう。
事前の見積もりをしてもらう
2つ目は、業者に依頼する前に事前の見積もりを依頼しましょう。
事前見積もりについては先述しましたが、業者が事前の見積もりを行わない、明晰な見積もり書を発行しない業者に関しては、悪徳業者の可能性が高いので依頼しないようにしましょう。
見積もりを行わない業者は、必要な車両数や作業員数について、事前の把握を怠り。当日、回収作業が終わらず、中途半端な状態で終了してしまうことも少なくありません。
また見積もり書を作らない業者の場合、見積もり書が無いことを利用して、事前の見積もり時より高額な費用を請求してくる可能性があります。
そのようなトラブルに巻き込まれない様に、見積もりをきちんと行わない業者に関しては依頼しない様にしましょう。
費用が安すぎる
3つ目は、費用が安すぎる業者に関しては、依頼しない様にしましょう。
見積もりの金額が極端に安いと、作業完了後、高額な費用を請求される可能性があります。事前の費用が極端に安いか分かるためにも、複数の業者に事前の見積もりを依頼することが大切です。
複数の業者に見積もりを依頼することを相見積もりと言います。
生前整理の費用は間取りや物量で変動し相場が把握しづらいこそ、相見積もりを依頼することが大切です。
また現場の見積もりをせず、電話や写真のみで遺品整理の見積もりをしてもらうよりも、なるべく現地で見積もりをしてもらうことが大切です。
優良業者の選び方


優良業者に依頼するために必要なポイントを解説します。
業者の名前を検索する
1つ目は、インターネット上で依頼したい業者の名前を検索することです。
ほとんどの業者は新規顧客獲得のため、インターネット上に自社の名前、住所、電話番号、それらを包括したホームページを掲載していることが多いです。また、自社の実績やクチコミ等をアピールすることで優良さのアピールを行っています。
言い換えれば、インターネット上に自社のホームページがない業者は悪徳業者の可能性が高いです。優良な業者はホームページに掲載している実績が豊富であったり、クチコミの評価が高く、加えて投稿されているクチコミの数が多いです。
事前の見積もりを行っている
2つ目は、事前の無料見積もりを行っていることです。
生前整理を行う前は一般的に見積もりを行うことが多いです。見積もりを行う理由としては、当日派遣する作業員の人数、車両数の目途をつけなければなりません。また回収物と非回収物の区別、業者が依頼者が回収してほしい物を回収可能か否か、それら全てを踏まえたうえで、依頼者が業者に支払う費用を決めなければなりません。
事前の見積もりを行わない業者の場合、作業開始前に提示された費用に加え、依頼者の合意なく高額な費用を請求されたり、回収してほしくない物を回収されたり、作業員数や車両数が足らず、作業が終わらないことが起きてしまうかもしれません。
そのようなトラブルを未然に防ぐために必ず見積もりを行う、その際、複数の業者に見積もりを依頼すること(相見積もり)でトラブルに巻き込まれる可能性を下げることができます。優良な業者は見積もりの際、丁寧な説明を行い、料金体系がきちんと構築されています。また、費用の内訳が一目で分かる明瞭な見積もり書を発行してくれます。
立ち合いを許可する
3つ目は、生前整理の現場作業立ち合いをさせてくれることです。
ほとんどの業者は当日の依頼者の現場立ち合いを許可してくれます。言い換えれば、当日の作業立ち合いを不自然に拒んでくる業者は悪徳業者の可能性が高いです。
そのような業者に依頼すると作業当日に何らかのトラブルに発展する可能性が高いです。優良な業者は作業当日の立ち合いを許可してくれることはもちろん、当日の状況にもよりますが、立ち合いをする依頼者と改めて相談・確認しながら、作業を進めてくれます。
以上のことが複数当てはまる業者は悪徳業者の可能性が高いので依頼しない様にしましょう。逆に優良な業者の条件に複数当てはまる業者を探し、依頼するようにしましょう。
生前整理を業者依頼する事前準備
生前整理を実際に依頼する際、また業者に作業してもらう際、事前に準備しておいた方が当日の作業をスムーズに進められることをいくつか紹介します。
リスト化すること
1つ目は、生前整理を代行する業者に対し、なるべく綿密に残したいもの、見つけてほしいものをリスト化すること、そしてリスト化したものを業者に伝えておくことです。
一番ベストなタイミングとしては事前の見積もりの際に伝えておく方が良いでしょう。業者側は部屋の中の物量や部屋の広さ、マンションだった場合、エレベーターの有無等で当日の作業人数、車両数等を設定します。事前に物量を把握できる情報を伝えることで当日の作業時間を短縮することに繋がります。
予定日を早めに決定すること
2つ目は、業者側と作業予定日を早めに決定することです。
業者側としては作業予定日を早く決定できるとその日のスケジュールや人数や車両数を調整をできるので、業者側としては当日の仕事がしやすくなります。余裕のあるスケジュールでなるべく早期に依頼することで当日の作業時間を短縮に繋がります。
個人で少しずつ片付けること
3つ目は、自分で片付けられる範囲の物を少しずつ片付けることです。
作業予定日が決まってから1日1つでも処分したり、アルバムの写真整理等の業者側が逐一、依頼者に確認しなければ作業しづらい物を整理することを、自分の無理のない範囲でやることで業者側は当日作業をしやすくなります。
追加で処分費用がかかるものを把握する
4つ目は、処分する大型家電や金庫等の物に追加でオプション費用がかかるか確認しましょう。
主に冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン、金庫、消火器等の処分はほとんどの生前整理業者は追加で費用を請求されることが多いです。事前の見積もりの際に処分する物の中に追加費用が発生する物があるか確認することも大切です。
生前整理を業者に円滑に進めてもらうためには、必要なことは業者側とコミュニケーションをしっかりとることです。特に撤去作業を中心に行う生前整理では何を残すかをしっかり伝えることが大切です。
生前整理作業当日の注意点


では実際に依頼をし、生前整理作業当日の注意点を紹介します。
立会いを行う
生前整理を業者に行ってもらう際、依頼者はなるべく作業に立ち会いましょう。
立会いを行った方が良い理由としては、生前整理では、普段自分が確認しない場所の仕分けや処分を行うため、作業途中に処分していく物の中で自分の頭の中になかった残して置きたいものが出てくることもあります。また、一部の業者は見積もりを行った際、依頼者側がお金を払って撤去・処分する予定だった大型家電や家具を業者側が買い取ってくれる可能性もあります。そのような予定に無い買い取りは立ち合いを行っていないと基本、発生しないことなので、なるべく作業当日は立ち合いを行うようにしましょう。
追加回収ができるかも
作業当日に立ち合いを行うことのもう一つのメリットは、追加費用をかけずに追加で物を処分してくれることがあるかもしれません。業者側が見積もりで推測したよりも物が少なかった場合や全ての回収が終わった後、用意した車両の容量に余力ができた場合は追加で物を載せれるので追加費用を支払わずに物を処分できることがあります。
以上のことから、なるべく生前整理作業を代行してもらう場合は、なるべく現場に立ち合いをすることで得することがあります。
逆に当日、作業の立ち合いができない場合は作業立ち合いができる日に相談して変えてもらったり、家族や友人等に代わって立ち合いをしてもらった方が良いでしょう。
生前整理を業者に頼むメリット・デメリット
以上で生前整理を業者に頼む場合の行程や注意点について紹介しました。以上を踏まえ、業者に頼むメリット・デメリットを紹介します。
業者に頼むメリット
生前整理を業者に依頼する主なメリットは、体力・時間を消費せずに生前整理ができることです。
生前整理を業者に依頼すると最短で半日、長くても2〜3日で終わらせることができます。個人で生前整理を行う場合は、可燃・不燃や特別な処分が必要な物等を把握、仕分けしながら長時間かけてコツコツ行わなければなりません。業者に依頼するとそのような作業をする必要は無くなります。
業者に依頼するメリットは以下の通りです。
不用品の買取をしてもらえる
業者は不用品の処分だけではなく、買取も行っていることが多いです。
買取は、業者ごとに買取できるものが異なりますので、事前の見積もりで確認しておきましょう。
一般的に貴金属や美術品、傷の少ない家具、製造から5年以内の家電が買取可能であることが多いです。不用品の買取について以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


プロの作業員が搬出してくれる
プロの作業員が搬出が困難な大型の家具や家電の搬出をしてくれます。
業者に依頼することで、体力を消費せず、短期間で家具や家電の搬出を行えます。
処分を代行してくれる
業者に依頼する一番のメリットです。
生前整理で最も大変な作業が、それぞれ分別した物を異なる処分方法で処分しなければならないことです。可燃ゴミや不燃ゴミをゴミステーションに何度も往復して捨てなければならないことや家電や家具の処分もしなければなりません。
業者に依頼することで、処分作業を全て代行してもらえるので、生前整理の負担を大部分、軽減することができます。
ハウスクリーニング・解体作業
生前整理を行う業者の中には、ハウスクリーニングや解体作業を行う業者があります。もし生前整理が終わった後、今まで住んでいた家を解体しようと思っている方は、生前整理の分別や処分を代行してもらえることに加え、建物の解体ができる業者があるので、改めて解体業者を探す負担を減らすことができます。
遺言書・エンディングノートの作成
遺言書やエンディングノートの作成を手伝ってくれる業者もあります。
遺言書やエンディングノートの書き方を分かりやすく丁寧に教えてくれるので、まったく知識が無い方も業者の補助を受けながら作ることができます。
生前整理を業者に依頼するメリットについては以下の記事でより詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


業者に頼むデメリット
生前整理を業者に依頼する主なデメリットは、費用がかかってしまうことです。生前整理を業者に代行してもらう場合、人件費、車両費等を含めた最低でも10万円以上の費用がかかってしまいます。
まとめ
生前整理は体力的にも時間的にも大変な作業ですが、生前整理を行うことで自分の人生を振り返り、前向きに人生を再スタートすることができます。
最後まで自分らしく生きるために生前整理についてお悩みなら無料の見積もりだけでも依頼してみましょう。


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