近年、核家族化や単身世帯の増加、コロナ流行等、様々な要因が重なりあったことで孤独死やゴミ屋敷といった問題が増加してきました。孤独死やゴミ屋敷はいわゆる高齢者層が中心で起きている問題だと今までは捉えられてきましたが、コロナ禍以降、20代〜30代の単身世帯、いわゆる若年層にもゴミ屋敷や孤独死といった問題は蔓延し、深刻化しています。
なぜゴミ屋敷になるのかは以下の記事で詳しくまとめています。是非、ご参照ください。

もし自分の身内や管理している物件で孤独死・深刻なゴミ屋敷が発覚した部屋はほとんどの場合、特殊清掃を行わなければなりません。
一般的に特殊清掃がどうやって行われるのかどこにどうやって依頼すれば良いのかなど分からないことが多々あると思います。
そのため、特殊清掃について以下の疑問や不安を抱えている人は多くいらっしゃいます。

特殊清掃って何をするの?



業者は何を基準で選べば良いの?
業者選びがわからない…



業者選びや費用について何も知らない…
騙されないように悪徳業者の見破り方を知りたい
以上のような疑問や懸念点について分かりやすく解説しています。
【本記事のポイント】
- 特殊清掃について
- 特殊清掃のサービス内容
- 業者の選び方
- 悪徳業者の見分け方
特殊清掃とは


まずは特殊清掃とはどういうことなのかを分かりやすく解説します。
特殊清掃とは主に孤独死やゴミ屋敷化等によって発生した様々な問題を解消し、家や部屋の状態を孤独死が起きる前やゴミ屋敷になる前の状態に可能な限り戻す作業について言います。
特殊清掃のほとんどは特殊清掃をサービスとして提供を行う業者に依頼されることが多いです。
特殊清掃をサービスとして提供を行う業者には高い専門性が必要なため、様々な資格、またはそれらの資格と同等なスキルや知識が要求されます。特殊清掃は近年の社会状況から、需要が増加し、全国に約5000社以上の企業が参入していると言われています。
特殊清掃の作業内容


特殊清掃業者が行う作業内容は多岐に渡ります。また提供する作業内容やそれらにかかる金額は特殊清掃を行う現場の状況(部屋の汚染度、広さ、残置物の物量)によって変化します。
次に特殊清掃で提供される作業内容についてまとめて解説します。
室内外の清掃
1つ目は、室内外の清掃です。
孤独死現場、ゴミ屋敷現場は不衛生な環境が起因となり、様々な問題が発生します。特に孤独死が起きた部屋はご遺体の状況(発見の遅速、室内の気温、年齢や体形)で漏れ出てしまう体液や血液の量、ゴミ屋敷は長時間放置され腐敗した生活ゴミが病気や感染症の原因になってしまう危険性があります。
そのような問題を防ぐ、ないしは解消するために、特殊清掃では室内、室外の汚染されている場所を徹底的に清掃を行います。
この作業は特殊清掃を依頼する場合、必ず行われる作業といっても過言ではありません。
血液・体液の除去
2つ目は、血液・体液の除去です。
特に孤独死現場で行われることが多い作業です。孤独死が起きた場合、亡くなった後のご遺体から漏れ出た体液や血液は害虫や害獣の発生、病気や感染症の原因になってしまうことが多々あります。
そのため、特殊清掃では血液や体液が少しでも触れている個所の除去、消毒、場合によっては体液や血液が染み込んでいる床や壁の張替等の作業を行い、最大限可能な限りの血液や体液の除去を行います。
死臭・腐乱臭の除去
3つ目は、死臭・腐乱臭の除去です。
孤独死現場、ゴミ屋敷現場はとても強い悪臭を放っています。またそれらの強烈な臭いは家具や家電、床や壁といった部屋の様々な物に染み込み、一度染み込んだ臭いは一般的な市販されている消臭スプレーを使った脱臭や消臭を行ったとしても取り除くことはできません。
そのため特殊清掃では、それらの臭いが染み込んだ壁や床を特殊な薬液やオゾン発生器等の専門的な機器を利用することで、可能な限りの脱臭を行います。
害虫・害獣の駆除
4つ目は、害虫や害獣の駆除です。
孤独死現場ではご遺体の体液や血液から、ゴミ屋敷現場では放置された生活ゴミからハエやウジ、ゴキブリといった害虫、またそれらの害虫を餌にしているネズミやヘビ等の害獣も発生します。害虫や害獣は衛生的に問題があることはもちろん、病気や感染症を媒介する危険性もあるのでなるべく早急に駆除しなければいけません。特殊清掃を行う現場は害虫・害獣を駆除し、その発生源も駆除します。
感染症予防のための消毒作業
5つ目は、感染症予防のための消毒作業です。
孤独死現場やゴミ屋敷現場は前述しましたが、共に感染症が発生してしまう可能性が高いので、それらを防ぐため特殊清掃業者は専門的な薬品や器具を利用し、消毒作業に当たります。
残置物の撤去
6つ目は、残置物の撤去です。
孤独死現場、ゴミ屋敷現場に残された残置物は全て撤去しなければならないことが多いです。例えば孤独死現場だと、遺体の体液や血液が染み込んだカーペットや悪臭が染み込んだ家具・家電、ゴミ屋敷現場だと大量の生活ゴミが原因の悪臭や汚れが染み込んだ家具・家電は撤去しなければならない物です。それらの現場に残された物、残置物を特殊清掃業者は回収し、処分してくれます。
これらのサービス以外にも、建物の取壊しやハウスクリーニング、リフォームといった作業を行ってくれる特殊清掃業者もあります。また孤独死やゴミ屋敷等の精神的にも負担が大きい問題をサポートするために臨床心理士や公的な福祉関係機関・団体、専門のNPO等と依頼者のその後を考え、マッチングを行ってくれる業者もあります。
たくさんの業者があり、業者毎に提供してくれるサービス内容を比較しながら自分のニーズに一番合致した業者を見つけることが大切です。
特殊清掃でアルバイトしてみたいと思われる方は是非、以下の記事をご参照ください。


特殊清掃を依頼しなければならない理由
孤独死が発生した場合、特殊清掃を依頼しなければならない理由は4つ存在します。
特殊清掃しなければ完全な除去ができない
ゴミ屋敷・孤独死が発生した場合、大量の食品ゴミの汚れや遺体の発見が遅れることに比例して、部屋はひどく汚染されます。部屋が汚染される理由は、時間の経過とともに食品ゴミ・遺体の腐敗が進むからです。腐敗と共に出る汚れや体液は床やフローリング・壁等に染み込み、汚染します。
それらの汚れは害虫の発生、異臭、感染症等、多くの問題を誘発します。それらの汚れと様々な誘発される問題は一般的な清掃では対応しきれず、特殊清掃をしない限り、完全な除去はできません。
そのため、特殊清掃を依頼しなければなりません。
臭い対策のため
ゴミ屋敷・孤独死が発生した場合、食品ゴミの汚れや遺体の体液や血液は強烈な異臭を発生させます。それらの臭いが一度、部屋の床や壁、家具や家電製品に染み込んでしまうと、自然に臭いが消えることはありません。
部屋の臭いを放置してしまうと、臭いが漏れ出て近隣トラブルに発展してしまったり、健康被害が発生する危険性があります。また賃貸物件の場合、管理会社や大家と訴訟問題に発展してしまう危険性があります。
脱臭や防臭等の専門的な措置が必要な為、特殊清掃が必要になります。
病気や感染症の予防
特殊清掃は病気や感染症の予防にも効果があります。
特に遺体から出る体液や血液は、病原菌やウイルスが多分に含まれています。
特に血液は感染症の危険性があり、命に関わる事態に発展してしまうかもしれません。加えて、害虫が発生している場合、伝染病の媒介になってしまいます。
そのため、孤独死が起きた部屋の病気や感染症の予防に特殊清掃は不可欠です。
以上の理由から、特殊清掃は依頼しなければなりません。
また長時間、ゴミ屋敷で生活することは健康被害のみならず、かなりの心理的な負担がのしかかってしまいます。ゴミ屋敷に住んでいる人の心理状態について、以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


特殊清掃業者の選び方


特殊清掃を行う業者は近年の社会情勢から需要が増し、業者の数も急激に増加しています。
そのため、数多くある業者の中から、どの業者に依頼すれば良いか分からないという方が多数存在します。
そのような方へ向けて業者を選ぶ際、確認すべき点をいくつか紹介します。
見積もりが丁寧
1つ目は、事前の見積もりを丁寧に行っている業者へ依頼しましょう。
孤独死やゴミ屋敷といった現場で特殊清掃を行う業者のほとんどは事前の見積もりを行います。事前に見積もりを行う理由は、孤独死やゴミ屋敷で特殊清掃を行う場合、現場それぞれに行わなければならない作業が異なるからです。特に特殊な作業を複数行い、専門性の高い薬品や機器を使用するかもしれない特殊清掃では、作業当日にどのような作業がその現場では必要かを判断するために事前に丁寧な見積もりをすることが必要不可欠です。また事前の見積もりを行わないと、依頼者に請求する費用を計算し、作業前に伝えることができないので、必ず事前の見積もりを行います。
丁寧な見積もりの判断基準としては、詳細な金額説明、買取可能な物があるのか、明晰な見積もり書の発行が挙げられます。
作業で出た業者が買取可能な不要品に関して、以下の記事で詳しくまとめています。是非、ご参照ください。


以上のことから特殊清掃を依頼する際は、必ず事前の見積もりを行っているかを確認しましょう。
インターネットで業者を調べる
2つ目は、依頼する前に業者をインターネットで検索しましょう。
特殊清掃を生業としている業者は多く、全国に5000社以上あるとされています。
同業に案件を取られない様に、多くの業者はインターネットやSNSを活用し、様々な方法で自社の宣伝、広告を行っています。そういう背景があることを上手く活用し、様々な特殊清掃業者のインターネット上にある実績やレビューの数、内容を比較し、事前の見積もりを依頼する業者を決定しましょう。
信頼性のあるレビューを確認する方法としては、Googleのクチコミを確認することをお勧めします。特に実際の作業風景や見積もり書を投稿しているレビューは信頼性が高いため、業者選びの際は確認した方が良いでしょう。
相見積もり・比較見積もりを活用する
3つ目は、相見積もり・比較見積もりを活用しましょう。
特殊清掃に限らず、業者を選ぶ際、大切なのは一社だけに見積もりを依頼するのではなく、複数の業者に見積もりを依頼することです。
複数の業者に見積もりを依頼することを相見積もり・比較見積もりと言います。インターネットやクチコミを活用し、多くの業者を調べ、その中でいくつかの業者に絞れてきたらその複数の業者に見積もりを依頼しましょう。複数の業者に見積もりを依頼することで、依頼者が行ってほしいことに、最適なアプローチを行ってくれる業者を見つけられる確率が高まります。依頼者のニーズにマッチしたサービスの内容と質や価格設定、オプションサービスを行ってくれる業者を見つけられる可能性が高まります。
上記のことを上手く活用し、特殊清掃を依頼する業者を決定しましょう。
悪徳業者の見破り方


近年、需要が増し、急拡大している特殊清掃業界ですが、全国に多くある特殊清掃業者の全てが優良な業者ではありません。多くある業者の中には、事前の見積もりとはまったく違うサービスを当日に行ったり、作業終了後、追加で事前説明が無い高額な費用を請求したり、撤去したゴミや残置物を違法な方法で処理するいわゆる悪徳業者が存在します。
そのようなトラブルに巻き込まれない様に、悪徳業者を見破るいくつかの方法を紹介します。
事前の見積もり・見積もり書の発行をしない
1つ目は、事前の見積もりを行わない、見積もりの際に詳細な作業や費用についての説明が無い、見積もり書を発行しない業者は依頼しないようにしましょう。
特殊清掃は専門性の高い作業を現場毎の状況に応じて、どのような作業が必要か、または不要かを判断しなければならないため、必ず事前の見積もりを行います。
しかし、悪徳業者の場合、事前の見積もりを行わない業者が多いです。事前の見積もりを行わない場合、それぞれの作業事に費用のかかる特殊清掃では見積もりの際、どの作業にいくらの費用がかかるか等の説明、もしくはそれら作業事の料金を記載した見積もり書を発行してくれるのが当たり前です。
以上のことから見積もりの際、上記のことを行わない業者の場合、トラブルの発生を防ぐためにも依頼しない様にしましょう。
必要な資格の有無
2つ目は、特殊清掃を行う上で必要な資格を持っているか確認しましょう。
特殊清掃を行う業者の多くは、高い専門性が要求されるため特殊清掃を行う上で、必要な資格を有していることが多いです。
例として一部あげるなら、『特殊清掃員』、『臭気判定士』、『防除作業監督者』等です。また市区町村から業務に必要な認可許可を受けているかをなるべく確認しましょう。トラブルに発展してしまう可能性が高い悪徳業者の場合、市区町村から認可許可をもらっていない場合が多いです。必須条件として、依頼する業者は市区町村から認可許可をもらっているかどうかは確認しましょう。
インターネット上に業者の情報が無い
3つ目は、インターネット上に依頼しようと思う特殊清掃業者のホームページやSNSアカウントが無い場合、悪質な業者の可能性が高いので依頼しない様にしましょう。
上記の『特殊清掃業者の選び方』でも解説しましたが、全国に多く存在する特殊清掃業者の中で一件でも多くの案件を獲得するために業者のほとんどはインターネット上で自社の実績やレビューを宣伝に利用してます。またSNSを活用するために、自社のSNSアカウントを保有しています。
言い換えれば、インターネット上でまったく宣伝行為を行っていない業者はかなり危険です。宣伝や広告を行うと逆効果、つまり自社のホームページやSNSアカウントを持つと自社の悪評が広まってしまう可能性があるため、そのような行為をしていないという可能性すらあります。ホームページやSNSアカウントを持っていない業者はなるべく依頼しない方が良いでしょう。
費用が安すぎる
4つ目は、特殊清掃の費用が相場からかけ離れて安い業者は依頼しない方が良いでしょう。
特殊清掃は専門的な知識や技能、道具を必要とする業務であり、決して安価な値段で依頼できることではありません。どんな現場でも最低でも10万円以上の価格が必要とされています。
間取り | 費用相場 | 作業人数 |
---|---|---|
1R~1K | 50000~300000円 | 1~2名 |
1LDK~3LDK | 75000~350000円 | 2~6名 |
4LDK~ | 250000~500000円 | 6名~10名 |
ゴミ屋敷(物量が多い) | 500000円~ | 8名~ |
作業内容 | 費用 |
---|---|
体液や血液の清掃 | 45000~100000円 |
基本消臭処理(1K) | 15000~25000円 |
消毒・除菌(1K) | 15000~25000円 |
建具の撤去 | 4000~10000円 |
オゾン脱臭 | 40000~60000円/h |
以上の表が主に特殊清掃の費用相場についてまとめた表です。費用についてより詳しく知りたい方は以下の記事で詳しくまとめています。是非、ご参照ください。


特に気をつけなければいけない点は、相場からかけ離れて費用が安い業者に依頼することです。
特殊清掃で、特に病気や感染症を防ぐための除菌作業を依頼する場合は、安いという理由だけで業者を選んでしまうとその業者が中途半端な除菌作業、またはまったく除菌作業を行わない可能性すらあります。そのようなことが起きてしまえば、特殊清掃後、その部屋が病気や感染症の温床になり、健康被害が発生し、様々なトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
以上のことから安いという理由だけで業者を選ぶことは必ずしてはいけません。
悪質な業者を見分けるために大切なことは疑問や不審に思った点をなるべくインターネット上で検索したり、一社だけに見積もりを依頼せず、複数の業者に見積もりを依頼するようにしましょう。
優良業者の選び方


優良業者に依頼するために必要なポイントを紹介します。
クチコミを確認する
優良業者に依頼するためには業者のクチコミを確認することがポイントです。
クチコミは主に過去にその業者に依頼した人が書いているので、GoogleマップやSNSのクチコミを確認することでその業者の実態が分かるので、優良業者を見つけたい方はなるべく依頼する前に確認しておきましょう。
しかし、ネットのクチコミではサクラを依頼している業者も多いので、クチコミでさらに重視すべきポイントとしては、詳しいレビューの内容や実際に作業を行っている様子の写真が載っている業者の方がより信頼性が高いです。
丁寧な見積もり
優良業者は丁寧な見積もり、分かりやすく詳細な見積書を作成してくれます。
特殊清掃は必ず現場の見積もりが必要です。また優良な業者は事前の見積もりを行う際、費用について丁寧な説明、買い取りできる物の有無、追加請求があるのか等、分かりやすい説明を行ってくれます。
また繰り返しになりますが、なるべく見積もりは必ず一社のみではなく、複数の業者に依頼することが大切です。
まとめ
孤独死やゴミ屋敷といった問題は今後、決して無くなることはありません。むしろ後期高齢者がますます増加していく現在の日本では、特殊清掃が必要になることは比例して増加していくでしょう。そういう社会になればなるほど、孤独死やゴミ屋敷のような問題はより身近になっていきます。
その際、特殊清掃は必要になります。特殊清掃を業者に依頼する際、分からないことを少しでも減らせるように、トラブルに巻き込まれない様に、本記事を作成しました。
もし、自分の身近で特殊清掃を依頼しなければいけない問題に備え、困らない様に特殊清掃についてある程度把握しておきましょう。
もし、お困りの方はまずは無料の見積もりから依頼してみましょう。


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