遺品整理とは、家族や親戚が亡くなった後に遺族が行う故人が残した遺品や故人が暮らしていた部屋や家の整理、仕分け、処分の作業のことを言います。
遺品整理は単なる物や部屋の整理や片付けではなく、故人との想い出と向き合い、そして遺品整理をすることで行った遺族が大切な人を失った悲しみと向き合うとても繊細で大切な作業でもあります。
しかし、その遺品整理について多くの方が現在、直面している問題があります。
それは遺品整理を個人で行うことはかなりの体力や時間が必要で、しかし遺品整理を業者に代行してもらうには費用が高いということです。
遺品整理をすることについて、以下のような大変なことや不安なことがあります。

遺品整理を業者に依頼したいけど
費用が高くて払えない…



遺品を処分するのは心許ない
できれば買取やリユースを利用したい



遺品で買取可能な物は?
高値で買取してもらえる方法は?
本記事では、以上のような疑問を中心に遺品整理で出てきた遺品の買取について分かりやすく紹介します。
【本記事のポイント】
・遺品整理の費用
・遺品で業者が買取可能な物
・買取品の相場
・悪徳業者の見分け方
遺品整理とは


遺品整理とは、主に亡くなった故人が生活していた部屋や家の生活用品を片付ける作業のことを言います。
一昔前は、遺品整理を行うのは身内や親戚が一丸となって行うのが多かったですが、核家族化や単身世帯が多くなった現代では遺品整理を業者に依頼するのが一般化してきました。
生活する上では必ず生活雑貨や日用品が必要で、それらはまとめるとかなりの量が必要になります。その故人が遺したかなりの物量の中から、遺族や相続人が残す物、処分する物と仕分けを行わなければなりません。
遺品整理では故人の所有物の中には処分してはいけない物が多分にあります。以下の物が主に処分せず、残さなければならない物になります。
- 鍵
- 印鑑
- 通帳
- スマートフォン
- 売却できそうな貴重品(貴金属、美術品、ブランド品等)
- 土地の権利書等の契約書類等
- 有価証券や保険証券等
上記のものは基本的に処分をしてはいけません。鍵や契約書類は処分してしまうと、借地や借屋の場合、不動産会社や管理会社とトラブルになってしまうことがあります。
遺品整理の仕分け作業で大切なことは、必要か不要で迷った場合は捨てないことが大切です。自分はいらないと思っても他の身内や親族が必要に思う物が必ずいくつかあるので、仕分けで迷った際、とりあえず保留しましょう。
遺品の仕分け作業が終わり、不要になった物は処分作業を行います。遺品のほとんどは相続した遺族が管理しなければなりません。その管理している物の中から生活雑貨・日用品から住んでいた住宅を含め、残したい物以外の処分を行います。
ここで注意してもらいたいことは、遺品の中には、処分しなければ、相続人に支払い義務が生じてしまう物があります。そのため、不要な物はなるべく早く処分を行うことが大切です。またその他にも、金庫や消火器等、処分方法が特殊な物であったり、家具や家電等、処分そのものが個人で行うには難しい物があるので、遺品整理で処分作業は最も大変な作業です。
加えて、自分以外にも相続人がいる場合、勝手な判断ではなく、他の親族間で処分する・しないに関しては互いに確認が取れた物以外は処分しないことが大切です。特に貴重品に関しては、勝手な判断では、特にトラブルになりやすいので取り扱いには注意が必要です。
また後で処分する際、間違えて処分しないように処分する・しない物をカテゴライズして分かりやすくまとめて、別々の場所に置く、そしてその情報を他の親族と共有する等、対策が必要です。
加えて、通帳やスマートフォンは解約は早く行わないといけないことが多いです。土地の権利書や有価証券、売却できそうな貴重品は財産(遺産)にあたるので、勝手な判断で処分できません。
また、最近では『デジタル遺品』という問題も新たに発生しています。
『デジタル遺品』とは、スマートフォンやパソコンを通してインターネット上に残った履歴やアカウントデータについて指します。
それらのデータはスマートフォンやパソコン自体を処分しても、データ自体が消えることは無く、インターネット上にはそれらのデータが残り続けてしまうという問題があります。
例えば、『デジタル遺品』としてトラブルに発展しやすい代表的な物として、ネット銀行のアカウントや株式、仮想通貨の取引アカウント等が挙げられます。
また、故人が生前にサブスク等の定額支払いサービスの契約をしていた場合、死後、契約解除を行わず、支払いが滞納され続けると相続人に延滞分を含めた契約料金等が請求される場合もあります。
そのような問題が発生しない様に、スマートフォンやパソコンでどのようなサービスと契約しているか、ネット銀行があるか等、家族や身内間でお互い把握しておくことが大切です。
また、もし故人が物やゴミが大量にあるゴミ屋敷で生活されていた場合は、ゴミ屋敷片付けも同時に行わなければならない可能性がありますので、注意が必要です。ゴミ屋敷については以下の記事をご参照してください。


もし故人の遺産を相続したくない場合は、遺品整理を行ってはいけません。故人の遺品や遺産を近親者が相続しないことを相続放棄と言います。相続放棄をする際、気を付けるべきことは遺品整理をしてはいけないということです。もし仮に、遺品の一部を遺産を相続する意向が無いのに、遺品や遺産の処分をしてしまうと、その時点で遺産相続を行ったことになり相続放棄をすることはできなくなります。
遺品整理で行うこと


遺品整理は主に3つの作業に分けられます。
財産関係の整理
1つ目は、財産関係の整理です。
遺品整理の作業内容は主に遺品の仕分け、処分が中心です。その仕分け作業で行われる作業の一つが財産関係の整理です。
財産関係の整理において、処分してはいけない遺すべき物は主に以下の物です。
通帳
まず大切なのは通帳です。
通帳は故人がどの銀行にいくらの預貯金をしているかを把握するために必ず保管しないといけません。また故人の銀行通帳は死亡届を役所に提出した後、銀行に連絡をしなければ故人の口座が凍結されてしまう可能性があるため、故人が保持している銀行口座に関わる措置を相続人が行わなければなりません。
印鑑
次は、通帳に関係している印鑑です。
印鑑は銀行通帳や役所関係に提出する届出印等を確認する必要があるので、遺品整理の財産関係の整理においては印鑑は必ず残して置かなければいけないものです。
契約書類
もし故人が物件や土地を保有していた場合は、土地の権利書等の契約書類も大切です。
故人が物件や土地を所有していた場合、相続人は契約書類を物件や土地を相続するためには必ず保管しなければいけません。また有価証券や保険証券等も故人が生前、株式を保有していたか、どのような保険に加入していたかを把握するために必要です。
貴金属・ブランド品
最後に貴金属やブランド品、宝石類等の売却可能な貴重品です。
貴金属やブランド品は贋作が多く。仕分け作業は遺品整理を個人で行うには大変手間と時間がかかる作業になります。また、その他にも美術品や動物の毛皮を使った衣類等も価値がつくことがあるので、残すこともあります。
遺品整理や遺産相続において最もトラブルに発展しやすいのが、財産関係の整理です。財産関係の整理を行う際は、弁護士や税理士等、専門的な知識を有している方に助言をもらったりことが望ましいでしょう。
不用品の処分
2つ目は、不用品の処分です。
故人が生活をしていた住宅にあるもの、基本的に全て処分しなければなりません。日用品や生活雑貨から大型家具やリサイクル家電(冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ)、アルバム等も全て処分しなければなりません。
その中で、個人で遺品整理を行う場合は処分する物に合わせた処分方法をで行わなければいけません。不用品の処分は遺品整理の中をで行わなければいけません。不用品の処分は遺品整理の中で最も体力と時間を消費する作業です。
不要品、特に粗大ゴミ(家具・家電など)の処分に関して、お悩みの方は以下の記事を是非、ご参照ください。


以上のことが、主に遺品整理で行わなければならない作業になります。
遺品整理の費用


遺品整理を業者に依頼した場合、必要な費用について解説します。
まず遺品整理を業者に依頼した場合、業者は仕分け・分別・処分・清掃作業を代行してくれます。
遺品整理業者が代行してもらえることは以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


また業者によっては、遺品整理が終わった後に、リフォームやハウスクリーニング、住居の解体を行ってくれる業者もあります。
そして費用ですが、業者に遺品整理を依頼した場合、費用は高額になることが多いです。
以下の表は遺品整理の間取り別費用相場です。
間取り | 相場料金 | 作業人数 | 作業時間 |
---|---|---|---|
1R・1K | 40000~70000円 | 1~2名 | 1~3時間 |
1DK・2K | 80000円~100000円 | 2~3名 | 2~5時間 |
1LDK・2DK | 100000円~160000円 | 3~4名 | 4~6時間 |
2LDK・3DK | 170000円~220000円 | 4~8名 | 6~10時間 |
3LDK・4DK | 230000円~300000円 | 5~10名 | 8~12時間 |
4LDK・5DK~ | 300000円~ | 8名~ | 10時間~ |
費用が高額な理由としては、作業に必要な作業員の人件費、ゴミ不用品の運搬のための車両費が高額な為です。
遺品整理は仕分けや分別・処分と多岐にわたる作業を行うので、作業人数が必要であり、かつしなければならない作業工程数が多いので、長時間化しやすいです。また、ゴミや不用品の運搬を行うトラックやパッカー車が必要なため、それらを利用するための車両費も高額であり、以上の要素から、業者に遺品整理を依頼する際、費用が高額になることが多いです。遺品整理の費用について、以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


遺品の買取
業者に遺品整理を依頼する場合、多くの方が高額な費用に頭を悩ませています。
そのため、遺品整理を少しでも費用を抑えて依頼したい方は業者が仕分け、処分する物の中から買取可能な物を買い取りしてもらうことで、少しでも高額な遺品整理の費用を安くしようとします。
遺品の中で、主に買取可能な物をいくつか紹介します。
貴金属・ブランド品
1つ目は、貴金属・ブランド品です。
ブランド物のバックや時計からマフラーや手袋といった小物まで、ネームバリューのあるブランド品の多くは、多少状態が悪くても、買取を行っていることが多いです。
貴金属に関しては、遺品整理で仕分け作業を行っている最中に、箪笥や押し入れの奥等に隠れていることが多くあります。
骨董品・美術品
2つ目は、骨董品・美術品です。
茶碗や花瓶、皿等の骨董品の買取を行っている業者も多いです。また、茶道具等の茶器は意外と高額な買取になりやすいので、遺品で出てきて不要な場合、なるべく処分ではなく、積極的に買取を行ってもらいましょう。
美術品では、絵画や掛け軸、仏像等の置物が買取可能なことが多いです。しかし、美術品はレプリカや模造品も多く、買取ができないこともあります。
酒
3つ目は酒です。
酒は基本的に未開封な物でしか買取できません。お酒の中でも、洋酒や日本酒が買取可能な物が多いです。特に遺品整理の場合、故人が生前頂いた贈答用のお酒を開封せずに保管している物が出てくることが多いです。また一部の酒の場合、開封後の中身の無い空きビンが買取可能な物もあります。
コレクション品・嗜好品
4つ目はコレクション品・嗜好品です。
コレクション品・嗜好品とは、主にミニカーやCD、葉巻、レトロゲーム等、故人が生前に趣味で集めていた多岐にわたる物を指します。
そのような品物の中では、マニアや嗜好家たちの間で高額で取引される物がありますので、価値が分からない物はとりあえず処分しないことをおすすめします。
家具・家電
5つ目は、家具・家電です。
主に買取が可能な家具の特徴としては、傷が少なく、状態が綺麗というのが条件であります。
家電の場合、年式が新しい(発売から5年以内)場合、買取可能な物が多いです。
以上の物が主に遺品の中で買取可能な物です。遺品整理で出た不用品で買取可能な物がある場合、積極的に買取を行うことをおすすめします。
不用品の買取に関して、以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


遺品の買取方法
遺品の買取を行う方法は主に3種類あります。
リサイクルショップ
1つ目はリサイクルショップを利用することです。
リサイクルショップは最も気軽に利用できる買取方法の一つです。リサイクルショップは全国津々浦々にありますので、手軽に利用することができます。
また多くの場合、その場ですぐに現金化できるのも利点の一つです。
しかし、リサイクルショップは広範囲に手広く品物を取り扱っているので、リサイクルショップ側が専門知識が無い物も買い取るので、比較的、低価格で買い取られることも多いです。
フリマアプリ
2つ目はフリマアプリを利用することです。
フリマアプリの利点は買い手と売り手が間に業者を挟まず、直で売買するため、運営会社が徴収する手数料以外で中間マージンが取られず、リサイクルショップで売るよりも、高額化しやすいという点です。
しかし、売り手が商品の出品や購入者とやり取りしなければならず、加えて梱包や発送等も全てしなければならないので手間がかかるという点もあります。
遺品整理業者
3つ目は遺品整理業者を利用することです。
遺品整理業者は遺品整理と一緒に買取を行ってくれるのでべ二度手間にならず、買取だけ別の業者に依頼する必要もありません。また遺品整理自体の費用から買取額を差し引くことができるので、遺品整理に必要な費用を抑えることができます。
しかし、遺品整理業者の場合、オプションサービスで買取を行っているので、現金化するというよりは遺品整理の費用から買取額を引くという方法のみ行っている業者が多いです。
以上の3つが主に遺品の買取方法になります。
買取品の相場
遺品整理で出た多くの不用品で買取可能な物で買取額は主に品物の状態や市場価値(市場の流通数やニーズ)で決まります。
また遺品整理業者が行う買取に関しては、業者毎にルールが異なることが多いです。例えば、業者によっては単品での買取を行っておらず、ダンボール1箱分に同じ種類の物から買取を行うや壊れていても買取を行う等、業者毎に違う点も多いので、確認することが大切です。
なので遺品整理業者が行う買取については相場を図ることは困難です。
しかし、遺品整理業者が行う買取で比較的高額な買取が可能な物も存在します。上記の買取可能な遺品で平均して買取金額が高いのは、宝石類です。一方、美術品や骨董品、ブランド品はレプリカや贋作が多く、故人が生前、本物だとだと思っていた物が蓋を開けてみたら、偽物だったという話も別段、珍しいことではありません。
上記以外にも、記念硬貨や中古のパソコンやスマートフォン、着物等も業者によっては買取を行っていることもあります。
以上のことから、買取を希望する際、利用する業者の買取可能な物や買取方法について確認を取り、連絡することが大切です。
悪徳業者の見破り方


もし不要な遺品の買取を依頼しようと思ってもどの業者に依頼すれば良いのか、業者の中でも買取できる物、買取できない物がそれぞれ違うことが多く、分からないことが多いです。
そのため、遺品整理で出た不用品の買取では度々、様々な種類の品物をまとめて買取ることを売りにしている業者に依頼される方が多いです。
しかし、そのようにまとめて買取を行う業者の中には、知識の無い人から安価で買い叩く悪徳業者が存在します。
そのような業者に依頼しない様に、悪徳業者の見破り方を解説します。
インターネット上に情報がない
1つ目は、業者の情報がインターネット上に情報がないという点です。
多くの買取業者は宣伝のため、インターネット上に自社の情報を公開し、SNSを活用することで、認知度を高めるための活動を日々、行っています。
しかし、悪徳業者の場合、インターネット上では行わず、チラシのポスティングや街中を宣伝カー等で宣伝行為をしていることが多いです。
理由としては、悪徳業者の場合、自社の情報をインターネット上に掲載することは逆に悪評を広めてしまう行為に繋がってしまう可能性が高いため、わざとインターネット上に情報を載せない様にしている場合があります。
そのため、遺品の買取を依頼する際は、事前に依頼しようと思う業者の名前をインターネットで調べておくことが大切です。もし依頼しようと思う業者の情報がインターネット上に無かった場合や悪評が多い場合は、依頼しないことが得策でしょう。
必要な資格を持っていない
2つ目は必要な資格を持っていないという点です。
買取業を行い、中古品の販売をする上で、『古物商許可』が必須です。
『古物商許可』が無い状態で、古物取引を行った場合、古物営業法違反となり、3年以下の懲役、または100万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられます。
そのため、多くの買取業者は『古物商許可』の資格を有しています。その上で、悪徳業者の場合、『古物商許可』を持っていない可能性が高いので、業者に依頼する前に、業者に依頼する前にその業者の許可番号や許可証を確認しておく等も大切です。
事前の買取価格から大幅に変動する
3つ目は事前の買取価格から大幅に変動するという点です。
買取業者の多くは事前に確定した買取価格から変動することはありません。事前に見積もりを行い、物品の品質や市場の状況を鑑み、事前に買取価格を確定し、その金額で取引するかを依頼者に了承を取ります。そのような工程を経て、信頼関係を築いた上で、買取行為は行われます。
しかし、悪徳業者の場合、事前に他社より高額な買取価格を提示することで、自社を選んでもらい、その上で買取直前に様々な理由をつけて買い叩くという行為を多用します。
そのような行為を防ぐために、事前に買取価格が決まった際、その価格から変動しない旨等の念書を取るようにしましょう。そのような念書を書くことを拒んできた場合、高確率で悪徳業者なので依頼しないようにしましょう。
以上の点を注意することで、悪徳業者かどうかを見破ることができます。
まとめ
遺品整理を行うことはただ部屋や物を片付けることではありません。
遺品整理を通じ、故人との想い出に触れ、喪失の悲しみと向き合い、それらを乗り越え、新たな人生を踏み出す第一歩になる大切な行為でもあります。
近年では、遺品整理を業者に依頼するのが一般的になり、その際、出てきた不要品も処分するばかりでなく、買取という形で手放すことも選択肢として当たり前になってきました。
その際、悪徳業者に騙されないように遺品整理における買取についての記事を作成しました。
遺品整理についてお悩みな方はまずは無料の見積もりから依頼してみましょう。


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