昨今、後期高齢化社会がますます進行し、感染症の流行や地震や台風等の災害が頻発しているため、自分自身や家族にいつ、どのようなことが起きてもおかしくないという危機感を抱えている人は増えているでしょう。
そのような社会情勢も相まって、日本では、遺品整理業者が急成長しています。
もし家族や近親者、友人が亡くなった時、その故人が所有していた遺品の整理等を相続人に代わって業者が行うことを指します。
遺品整理とは、故人が残した品物を整理し、故人の暮らしていた家や部屋をきれいにすることです。一昔前まで、遺品整理は遺族が行うのが一般的でしたが、最近は専門業者に依頼する方がほとんどです。
遺品整理を業者に依頼する方が年々増加し、遺品整理を業者に依頼することで得られるメリットは多々ありますが、しかし遺品整理を業者に依頼することに不安を抱いている方もいます。
多くの方が不安に思っているのは費用についてです。
遺品整理は決して安価に利用できることではなく、高額な費用がかかってしまいます。
そのため、遺品整理の費用について以下のような疑問を持っている人がいます。

遺品整理ってなぜ高額になるの?



費用を抑える方法を知りたい



安すぎる業者って危険?
以上のような疑問を中心に本記事で分かりやすく解説します。
【本記事のポイント】
遺品整理の費用
費用を安く抑える方法
遺品整理業者の選び方
遺品整理で行うこと


遺品整理は主に行うことは以下の通りに分けられます
仕分け・分別作業
1つ目は、仕分け・分別作業です。
遺品整理はまず部屋の中にある物を片付けることから始めます。
主に仕分け作業では、部屋を片付けながら必要な物・不要な物を分け、不要な物をそれぞれの処分方法、可燃ゴミ、不燃ゴミ、リサイクルゴミ、粗大ゴミ等に分ける分別作業を行います。
この際、確認しなければいけないこととして特に粗大ゴミや不燃ゴミの中でも、各自治体のルール毎に処分方法が異なる物であったり、処分には費用が必要に物もあるので遺品整理をする際、事前に確認して行いましょう。
処分作業
2つ目は、処分作業です。
仕分け・分別作業でも言及しましたが、各自治体毎にゴミや不用品を処分する際のルールが異なることが多いです。遺品整理を行って、出てきたゴミや不用品を仕分けし、自治体のルールに合わせた方法で処分を行わなければなりません。多くの物は家庭から出た『家庭系一般廃棄物』なので市区町村が指定する集積所に出したり、処理センターに持っていくことで処分することが可能です。
しかし、家庭から出たゴミや不要品であっても、市区町村の管理する集積所で処分できない物がいくつか存在します。
金庫
消火器
パソコン
ガソリンや灯油
以上の物以外にも、自治体毎に処分できない物が存在します。遺品整理を行う前に、必ずお住まいの市区町村のホームページや役所への問い合わせを行い、ゴミや不用品が処分できるか確認しましょう。
清掃作業
3つ目は、清掃作業です。
遺品整理を行う際、故人が日頃、手を付けない場所の整理をし、多くのゴミやほこりが出てしまいますので、遺品整理では最後に必ず掃除を行います。
また遺品整理の中では、仕分けや処分作業が終わり次第、故人が生前生活していた部屋や住居のリフォームやハウスクリーニング、場合によっては解体を依頼される方もいます。
以上が主に遺品整理で行われることであり、これらを全て行おうとすると、多大な時間が必要になってしまいます。
また以上に加えて、パソコンやスマホが普及した現代の遺品整理では、それらの機器に保存されたデジタルデータの処分も遺族が行わなければなりません。
これらの故人のデジタルデータを『デジタル遺品』と言います。
『デジタル遺品』は以下の通りです。
- ネット銀行アカウント
- 仮想通貨の取引アカウント
- SNSアカウント 月額性のサブスクサービス
遺品整理を行う際、『デジタル遺品』を確認しておかなければ、もし故人が定額制のサービスに登録していた場合、それらの費用を故人の遺産を相続した故人が支払わなければなりません。また故人がネットバンキング等に口座がある場合、口座が凍結される前に解約する必要があります。そのため、多くの人がパソコンやスマートフォンで多くのサービスを契約・利用して、その利用者も年々増加している背景から、今後『デジタル遺品』は多くの人が遺品整理で頭を抱える問題になってしまうでしょう。
また遺品整理を行うタイミングも大切です。遺品整理を行うタイミングについては以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


遺品整理の費用


遺品整理を業者に依頼した場合の費用について解説します。
遺品整理を業者に依頼した場合、業者はその家や部屋の遺品整理を行うための人数・車両数を事前見積もりで把握し、その現場に必要な作業員・車両を派遣します。
派遣された作業員が依頼者の指示に従い、部屋の中にある物の仕分け・分別作業を行い、不用になった物の回収をします。業者によっては、回収だけではなく、清掃作業を行ってくれる業者があります。詳しくは、こちらの記事を参照ください。
遺品整理を行う業者の中には、不用品の回収のみならず、もし遺品整理を行った後、故人が生活していた家の改装や解体を行いたい場合、リフォームやハウスクリーニング、解体まで行う業者もあります。
以下の表が遺品整理を業者に依頼した場合の間取り別の費用相場です。
間取り | 相場料金 | 作業人数 | 作業時間 |
---|---|---|---|
1R・1K | 40000~70000円 | 1~2名 | 1~3時間 |
1DK・2K | 80000円~100000円 | 2~3名 | 2~5時間 |
1LDK・2DK | 100000円~160000円 | 3~4名 | 4~6時間 |
2LDK・3DK | 170000円~220000円 | 4~8名 | 6~10時間 |
3LDK・4DK | 230000円~300000円 | 5~10名 | 8~12時間 |
4LDK・5DK~ | 300000円~ | 8名~ | 10時間~ |
あくまで遺品整理の不用品回収のみの費用であり、リフォームやハウスクリーニング、解体を行ってほしい場合、追加で費用が必要になる場合が多いです。
遺品整理を業者に依頼した場合の費用について以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


遺品整理が高額な理由


遺品整理を業者に依頼した場合、高額になってしまう理由は主に以下の通りです。
車両費が高額なため
遺品整理を業者に依頼した場合、遺品整理で出た不要品を依頼者に代わり、処理するため運搬する車両に高額な費用が必要になります。遺品整理で処理する物は可燃ゴミ等の日用品から家具、家電等の粗大ゴミ等、多岐にわたります。
主に運搬には、トラックかパッカー車が使われることが多く、車両の種類によって車両費も異なることが多いです。
主に遺品整理業者が運搬に利用するのは以下の4種類です。
軽トラック


約1畳半の荷台に最大積載量は350kg(車両や運転手の重さを含まず)まで載せることができます。
ダンボール箱で換算すると、20~25箱程度載せることができます。
費用はおおよそ3~6万円程度かかります。遺品整理を業者に依頼した場合、最も安く依頼できる車両になります。
遺品整理では、主に依頼者が個人で家の中から搬出が難しく、処分が困難な大きな粗大ゴミ(家具や家電)を処分するために依頼されることが多いです。
2tダンプ車


約3畳分の荷台にダンボール箱をおよそ100箱程度載せることができます。
費用はおおよそ5〜10万円程度かかります。マンションやアパート1Kの部屋や物量があまり多くない遺品整理はこの車両1車で賄える場合もあります。
4tトラック


4tトラックの場合、ダンボール箱を約200箱積載可能です。
遺品整理を業者に依頼すると、この車両を使うことが多いです。
費用はおおよそ7~15万円程度かかります。
パッカー車


まったく手つかずの状態で、衣服や食品等の可燃ゴミが大量にある場合、パッカー車は利用されることが多いです。また業者によっては木製品の粗大ゴミが多い場合、パッカー車を利用することもあります。ほかの車両と違い、積み込みをする必要がないため、作業の時間短縮にも繋がります。また小型から大型まで積載量に幅があり、大型パッカー車が最も費用がかかります。
費用はおおよそ10~20万円程度かかります。
遺品整理では主に以上の4種類を1車〜複数車を利用します。必要な車両は処分するゴミや不要品の物量で変化し、費用も比例して増減します。
人件費が高額なため
遺品整理を業者に依頼した場合、人件費は必須になります。
依頼者の意向に従い、仕分け・分別や搬出・積み込みを行う作業員にかかる人件費が高額なため、遺品整理の費用が高額になってしまいます。
人件費は現場で作業する作業員1人1人に必要になります。
遺品整理業者で働いている作業員は、個人で対応できない大きな家具や家電等の搬出を行います。それらを搬出する際、床や壁に傷をつけないように養生して、細心の注意を払いながら、丁寧な作業を行います。また大きくて重たい荷物を搬出するには、作業員自身、常に事故やケガのリスクが伴います。
物量が少なく、一人で搬出可能な物が多い場合、人件費は1名でも対応は可能ですが、ほとんどは2人以上の人件費が必要になります。
『車両費が高額なため』で記載した最も利用頻度が高い4tトラックを利用する場合は最低でも2人以上の人件費が必要になります。
人件費はおおよそ1人当たり1〜3万円が必要になります。人件費が増減する理由としては、遺品整理を行う現場の作業環境が悪い場合(処分する物量が多い、マンションやアパートで階段無しで3階以上からの運び出し、高所の作業が必要なため、長年掃除をしていなくて衛生環境が悪い、ゴミや不用品をトラックまで搬出する導線が長い、搬出するには家具の解体が必要で時間が必要等)、1人当たりにかかる人件費は増えます。
遺品整理を業者に依頼した場合、費用の内訳で大部分は車両費と人件費が占める場合が多いです。
オプション費用がかかる
遺品整理を業者に依頼した場合、特定の作業や特定の物には処分するのに別途で追加費用が必要になる物があります。
処分に関して、オプション費用がかかる作業や物は以下の通りです。
・高所作業
・リサイクル家電(冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビ)
・金庫
・消火器
以上の作業を行う場合や以上の物を1台、処分するのに費用が必要になります。例えば、足場が不安定な場所や高所の作業が必要な場合や冷蔵庫や洗濯機、エアコン等のリサイクル家電は業者が処分するのに費用が必要なため、別途費用が必要な物が1つ毎に、追加で費用が必要になります。
以上の要素が主に遺品整理を業者に依頼した場合、高額な費用が必要な理由です。
費用を安く抑える方法


次は本題である遺品整理を安い費用で業者に依頼する方法を紹介します。
実際、遺品整理を業者に依頼しようと思っても、多くの方が思った以上に高額な費用を理由に断念してしまいます。しかし、自分や家族、友人で遺品整理を行おうとしても、仕分けや分別に時間がかかり、家具や家電の搬出は床や壁に傷をつけてしまったり、重たくて持ち運びしづらい物の搬出は怪我や事故のリスクが常にあります。また仕分けや分別したゴミや不要品はそれぞれの特性に合わせた処分が必要になります。
遺品整理を個人や少人数で始めることができても、終わらせることはかなり難しいです。
そのため高額な費用が必要になっても、遺品整理に関しては業者に依頼することをおすすめします。
遺品整理を業者に依頼する時、少しでも費用を安く抑える方法をいくつか紹介します。
遺品の買取
遺品整理を業者に依頼する場合、業者が仕分け、処分する物の中から買取可能な物を買い取りしてもらうことで、少しでも高額な遺品整理の費用を安く抑えることができます。
遺品の中で、主に買取可能な物をいくつか紹介します。
貴金属・ブランド品
1つ目は、貴金属・ブランド品です。
ブランド物のバックや時計からマフラーや手袋といった小物まで、ネームバリューのあるブランド品の多くは、多少状態が悪くても、買取を行っている業者が多いです。
貴金属に関しても、同様に高額な買取になることが多いです
骨董品・美術品
2つ目は、骨董品・美術品です。
茶碗や花瓶、皿等の骨董品の買取を行っている業者も多いです。また、茶道具等の茶器は意外と高額な買取になりやすいので、遺品で出てきて不要な場合、なるべく処分ではなく、積極的に買取を行いましょう。
美術品では、絵画や掛け軸、仏像等の置物が買取可能なことが多いです。しかし、美術品はレプリカや模造品も多く、買取ができない場合も多いです。
酒
3つ目は酒です。
酒は基本的に未開封の物でしか買取できません。お酒の中でも、洋酒や日本酒は買取可能な物が多いです。特に遺品整理の場合、故人が生前頂いた贈答用のお酒を開封せずに保管している物が出てくることが多いです。また一部の酒の場合、開封後の中身の無い空きビンも買取可能な物もあります。
コレクション品・嗜好品
4つ目はコレクション品・嗜好品です。
コレクション品・嗜好品とは、主にミニカーやCD、葉巻、レトロゲーム等、故人が生前に趣味で集めていた多岐にわたる物を指します。
そのような品物の中では、マニアや嗜好家たちの間で高額で取引される物がありますので、価値が分からない物はとりあえず処分しないことをおすすめします。
家具・家電
5つ目は、家具・家電です。
主に遺品整理を行う業者が買取が可能な家具の特徴としては、傷が少なく、状態が綺麗という特徴があります。
家電の場合、年式が新しい(発売年から5年以内)場合、買取可能な物が多いです。
以上の物が主に遺品の中で買取可能な物です。遺品整理で出た不用品で買取可能な物がある場合、積極的に買取を行うことで遺品整理の費用を安く抑えることができます。
加えて、買取を利用して費用をより安く抑えたい場合、手間にはなりますが、買取だけは別の業者に依頼することもおすすめです。遺品整理で買取については以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


依頼する前になるべく処分
遺品整理を業者に依頼する前に、可能な限り不用品やゴミを処分することで費用を安く抑えることができます。遺品整理において、費用は業者は処分する物量で費用の大部分を決定します。そのため、遺品整理を依頼するまでにもし時間にゆとりがあるのなら、先に個人で処分できる物を処分することで費用を抑えることができます。
『相見積もり』を依頼する
遺品整理を業者に依頼する場合、事前の見積もりはなるべく『相見積もり』を依頼しましょう。
『相見積もり』とは、一社だけではなく複数の業者に事前の見積もりを依頼することです。『相見積もり』を依頼することで、依頼者が自分のニーズを探求し、業者を選択することができます。また業者側としては、一件でも多くの案件を格闘するため、一社だけの見積もりより費用を安く依頼することができます。
遺品整理の費用を安くするためには、『相見積もり』を利用することが最も簡単で利用しやすいです。
上記のことを上手く利用することで、遺品整理業者を安く利用することができます。
遺品整理を依頼する業者選びについては以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


悪徳業者の見破り方


遺品整理を業者に安く依頼したいとしても、費用だけを重視していてはいけません。
遺品整理を代行する業者は多く存在しますが、その全てが優良な業者ではなく、中には悪徳業者も存在します。
悪徳業者に依頼してしまうと、高額な費用を請求をされたり、法的トラブルに発展してしまうことがあります。そのため、遺品整理を業者に依頼する際、悪徳業者に騙されないように注意すべきことをいくつか紹介します。
事前の見積もりを行わない
悪徳業者の多くは事前の見積もりを行わないことが多いです。
見積もりを行わず、金額を事前に決定しないことで、悪徳業者は作業後、高額な費用を請求しやすくするためです。事前の見積もりを行うかを業者に依頼する前に確認するか、最初から見積もりを行おうとしない業者には依頼しないことが大切です。
見積もりが極端に安い
もし見積もりを行ったとしても安心だとは限りません。
見積もりを行う業者だとしても、悪徳業者は事前の見積もりが極端に安いことが多いです。
見積もりの金額が極端に安いと、作業完了後、高額な費用を請求される可能性があります。事前の費用が極端に安いか分かるためにも、複数の業者に事前の見積もりを依頼することが大切です。
複数の業者に見積もりを依頼することを『相見積もり』と言います。
遺品整理の費用は間取りや物量で変動し相場が把握しづらいからこそ、相見積もりを依頼することが大切です。
また物量が多い現場で。見積もりをせず、電話や写真のみで遺品整理の見積もりをしてもらうよりも、なるべく現地で見積もりをしてくれる業者の方が安心して依頼できます。
書面を作らない
悪徳業者の多くは事前の見積もりを行う際、見積もり内容を記録した書面を作成しないことが多いです。
書面を残さないことで、口頭での契約を理由に作業中や作業後に業者側が容易に金額を変更しやすくなってしまいます。契約書面を作成しなければ依頼しない等、断固として伝えることが大切です。
インターネット上に情報が無い
悪徳業者の多くはインターネット上に情報が無いことが多いです。
また悪徳業者はホームページがあったとしても料金が不明瞭だったり、業者の住所や連絡先を記載ことが多いです。そのためインターネットで業者を探す場合、料金システムや会社の評判等、多くのことを加味して業者を選ぶことが大切です。
遺品整理の悪徳業者については、以下の記事に詳しく記載しています。ぜひ、ご参照ください。


まとめ
遺品整理を業者に依頼する場合、費用について不安に思っている方は多くいらっしゃいます。遺品整理を安く依頼したいと費用だけを鑑みて、業者を選んでしまうことは危険です。もし悪徳業者に依頼してしまうと、多くの被害を被ってしまうことも少なくありません。
そのため、費用を抑えるために出来ることを知っておくことで、遺品整理を安全に費用を抑えて依頼することができます。
遺品整理についてお悩みな方はまずは無料の見積もりから依頼してみましょう、


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