昨今、『生前整理』や『終活』のような言葉が広く普及し、一般化して久しいですが、まだネガティブで後ろ暗いイメージを持たれている方も少なくありません。
特にコロナを経て、いつ人が亡くなるか分からないような未曽有の事態に直面してしまったことで、なおさら生前整理や終活について考えたり、取り組んでいる人も増えてきました。
しかし、生前整理について以下のような疑問を持っている人も少なくありません。

生前整理ってそもそも何?



生前整理の進め方が分からない…



生前整理を業者に依頼する時の注意点は?
以上のような疑問を中心に分かりやすく解説します。
【本記事のポイント】
生前整理とは
生前整理で行うこと
業者選びの注意点
生前整理とは


生前整理とは、心身が健康で、判断能力や認知機能が衰えていない内に、身の回りの生活雑貨や日用品、財産や土地を整理、処分することです。
生前整理をすることで、身の回りの物が整理され、生活空間がスッキリすることで、心機一転して生活をリスタートすることができ、新たに生活にゆとりを生むことがあります。
また、自身が亡くなった後、残された家族がしなければならない負担や発生しうるトラブルを事前に減らすことができるという側面があります。
加えて、生前整理は主に60代以上の高齢者が行うというのが一般的でしたが、昨今コロナの流行や在宅での仕事が可能になった様々な社会情勢も相まって、最近では20〜30代の若年層が生前整理を行うことも増えてきました。
若年層が行う生前整理では、生活で必要な日用品や家財道具を生活維持可能な最低現に減らす『ミニマリズム』の考えが基盤になっていることが多いです。
生前整理をすることは、生活にゆとりを生むことだけではなく、死後、家族に発生しうるトラブルを減らすことにも繋がる重要な行為だとも言えます。
生前整理のやり方
生前整理は主に3つのやり方で行われます。
個人(1人でやる場合)
1つ目は、個人で生前整理をすることです。
個人で生前整理を行う場合、メリットとしては時間をかけて日用品や生活雑貨の仕分けを自分で行えることです。加えて、過去の思い出が詰まった写真やアルバム、大切にしていた物と向き合うことができ、自分のペースで時間をかけて、それらの品々を整理することができます。
思い出が詰まった物を整理し、振り返ることで、人生に改めて活力が芽生える効果も期待できます。
デメリットとしては、1人で行う場合、時間がかかりすぎてしまうことに加え、対応できないことが多くあるということです。
生前整理では、冷蔵庫や洗濯機等のリサイクル家電や箪笥等の大型家具も処分することもあります。その際、冷蔵庫や洗濯機を1人(高齢者の場合はより一層)で処分することは、困難です。
加えて、1人だと行える範囲は少ないので、何日も跨って、長時間の作業になってしまうことが少なくありません。
身内や家族・友人(少人数グループの場合)
2つ目は当事者含め身内や家族の少人数で生前整理をすることです。
身内や家族(少人数)で生前整理を行う場合、本来、遺品整理でしなければならないことを先んじて終わらせることもできます。
例えば、相続や形見分けについて先に話し合うことで、死後、親族間で発生しうるトラブルを未然に防ぐことにも繋がります。加えて、1人だったら運搬ができない物の運搬や長時間必要な仕分けや処分を協力して行うことができます。
デメリットとしては、身内や家族間で話し合えることによって逆にトラブルが起きてしまう可能性があること、重たい物や大きい物の運搬ができることが仇となり、運んでいる最中に、怪我や事故が発生しうる可能性が生まれてしまうということです。
業者
3つ目は、生前整理を業者に依頼することです。
近年、生前整理や遺品整理に関しては、核家族化や単身世帯の増加で、身内や家族で行うことよりも、業者に依頼して代行してもらうことの方が多くなってきました。
業者に依頼するメリットとしては、体力や時間を使わず、短時間で日用品、生活雑貨、家財道具をまとめて短時間で処分してくれることです。
一般的に生前整理を個人や少人数で行う場合、最低でも2日以上、場合によっては1カ月かけて行うこともあり、どうしても長時間の作業になってしまいます。
その点、業者に依頼した場合、極めて短時間(半日〜3日)で仕分けから処分まで行ってくれます。また業者によって、持ち家の場合はリフォームやハウスクリーニング、解体作業も行ってくれる業者があるので、そのような点は業者にしかできないことと言えます。
デメリットとしては、費用が掛かってしまうという点です。
生前整理を業者に依頼した場合、最低でも以下の図以上の費用が必要になってしまいます。
間取り | 作業人数 | 費用 |
---|---|---|
1R~1K | 1~2名 | 4~8万 |
1DK~1LDK | 2~4名 | 7~20万 |
2DK~2LDK | 3~6名 | 12~30万 |
3DK~3LDK | 4~8名 | 25~50万 |
4LDK~ | 6~10名 | 30万~60万 |
生前整理を業者に依頼する場合、高額な費用が必要な理由としては、人件費と車両費が必要なためです。
人件費とは、生前整理で仕分けと処分を代行する作業員1人当たりにかかる費用を指します。
処分する物量や作業環境(物量が多い、衛生状態が悪い、運搬距離が長い等)に応じて、現場毎の必要な人数や一人当たりの人件費が変化するため、一定の金額が決まっているものではありません。
車両費は、処分するゴミや不用品を運搬するためにかかる費用のことを言います。
ほとんどの業者は作業を行う前に、現地で見積もりを行い必要な作業員数と車両数を推定し、費用を決定します。そのため、処分する物量が多くなることに比例して、必要なや車両数や作業員数が増えるため、費用は高額になってしまいます。
生前整理を業者に依頼した場合の費用については以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


また費用を抑えて安く業者に依頼したい場合、業者が行う買取サービスを利用することをおすすめします。不用品の買取に関して、以下の記事で詳しくまとめています。是非、ご参照ください。


生前整理で行うこと


生前整理で行うことは主に4種類あります。
日用品や生活雑貨・家財道具の整理
1つ目は日用品や生活雑貨・家財道具の整理です。
生前整理では、今後の生活で必要な物・不要な物の整理を行います。
特に生前整理に関しては、遺品整理とは異なり、今後も生活は続くからこそ、処分前提ではなく残す前提で物の整理をすることが大切です。
財産・資産の整理
2つ目は財産・資産の整理です。
財産・資産の整理が生前整理で最も大切で、気を付けなければならない作業です。
死後、家族や身内間で最もトラブルになりやすいのが故人の遺産や資産の相続・分配です。
トラブルの原因としては、家族や身内間で生前に財産や資産を把握し、共有していない、また財産や資産の相続に関する取り決めや仕分けを行わず、何らかの形(遺書やエンディングノート等)で明記していない場合は、十中八九トラブルに発展してしまいます。
そのため生前整理では、自身の財産・遺産を整理し、それらについて明記することが大切です。加えて、可能ならばそれらの分配についてもその時点で明記しておく方がその後、トラブルになる可能性を減らすことに繋がります。
デジタル関係の整理
3つ目はデジタル関係の整理です。
デジタル関係の整理とは、主に以下の通りになります。
- SNSアカウント
- ネットバンキングの口座
- サブスクリプションサービスの登録
- パソコン・スマートフォンの写真やビデオ
- アプリデータ等のデジタルデータ
これらのデジタル関係の情報や定額制のサブスクについては生前に消去しておかなければ、半永久的にネット空間に情報が残り続けてしまいます。そのため、生前整理を行う際、できる限りのデジタル情報は消去する、また死後、消去してもらうためにどんなサービスに入っているかをアカウント情報やパスワードについて伝えておく等、準備をしておく必要があります。
特に定額制のサービスについては、退会しない限り、死後も料金が発生し、その料金を家族や身内が支払う必要性が生じる場合があります。
そのようなことに発展しない様に、あらかじめデジタル関係の整理を行うことも大切です。
遺書・エンディングノートの作成
4つ目は遺書・エンディングノートの作成です。
遺書やエンディングノートとは、作成者自身の財産や資産について、葬儀や散骨方法について、家族や友人にメッセージをまとめた物になります。
生前整理を行う際、遺書やエンディングノートを作成することで無用なトラブルの発生を未然に防ぐことができます。
以上が主に生前整理で行うことです。生前整理はなるべく判断力や認知機能が衰える前になるべく早く行っておいた方が良いでしょう。
また『終活』の一環として、生前整理が行われることが多いです。生前整理と終活について以下の記事で詳しくまとめています。是非、ご参照ください。


生前整理の注意点


生前整理では多岐にわたることを行わなければならないため、注意しなければならないことが多々あります。
必要な物を誤って処分してしまう
よくある失敗の1つですが、生前整理を行う際、通帳や印鑑、土地の権利書や生命保険、個人情報にまつわる書類等を誤って処分してしまうことは少なくありません。
生前整理の際、必要な物を誤って処分しない様に注意することが大切です。
ケガや事故のリスク
先述しましたが不要な家具や家電の処分を行う際、ケガや事故に気をつけなければなりません。
生前整理で家具や家電の処分を行う際、必ず複数人で安全に注意して行わなければなりません。家具の家電を安全に処分できない状況の場合、生前整理を無理に進めようとしません。
管理会社とトラブルに…
賃貸で生活している場合、管理会社に部屋の備品があるか確認しておくことが大切です。
賃貸では、残さなければならない備品を間違えて処分してしまうと、退去時に弁償をしなければなりません。賃貸の場合、生前整理をする前に、残して置かなければならない備品があるか確認しておきましょう。
以上のことに注意して生前整理を行いましょう。
生前整理を業者依頼する事前準備
生前整理を実際に依頼する際、また業者に作業してもらう際、事前に準備しておいた方が当日の作業をスムーズに進められることをいくつか紹介します。
リスト化すること
1つ目は、生前整理を代行する業者に対し、なるべく綿密に残したいもの、見つけてほしいものをリスト化すること、そしてリスト化したものを業者に伝えておくことです。
一番ベストなタイミングとしては事前の見積もりの際に伝えておく方が良いでしょう。業者側は部屋の中の物量や部屋の広さ、マンションだった場合、エレベーターの有無等で当日の作業人数、車両数等を設定します。事前に物量を把握できる情報を伝えることで当日の作業時間を短縮することに繋がります。
予定日を早めに決定すること
2つ目は、業者側と作業予定日を早めに決定することです。
業者側としては作業予定日を早く決定できるとその日のスケジュールや人数や車両数を調整をできるので、業者側としては当日の仕事がしやすくなります。余裕のあるスケジュールでなるべく早期に依頼することで当日の作業時間を短縮に繋がります。
個人で少しずつ片付けること
3つ目は、自分で片付けられる範囲の物を少しずつ片付けることです。
作業予定日が決まってから1日1つでも処分したり、アルバムの写真整理等の業者側が逐一、依頼者に確認しなければ作業しづらい物を整理することを、自分の無理のない範囲でやることで業者側は当日作業をしやすくなります。
追加で処分費用がかかるものを把握する
4つ目は、処分する大型家電や金庫等の物に追加でオプション費用がかかるか確認しましょう。
主に冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン、金庫、消火器等の処分はほとんどの生前整理業者は追加で費用を請求されることが多いです。事前の見積もりの際に処分する物の中に追加費用が発生する物があるか確認することも大切です。
生前整理を業者に円滑に進めてもらうためには、必要なことは業者側とコミュニケーションをしっかりとることです。特に撤去作業を中心に行う生前整理では何を残すかをしっかり伝えることが大切です。
生前整理業者の選び方


生前整理を行う業者は数多く存在します。その中には優良な業者もいれば、依頼することでトラブルに発展してしまう可能性がある悪徳業者も多く存在します。
悪徳業者に依頼してしまった場合、生前整理そのものが終わらなかったり、後々遺恨を残す長期間に渡るトラブルに発展してしまうこともあります。今後、そのようなトラブルに巻き込まれない様に、優良業者と悪徳業者を見分けるいくつかの方法を紹介します。
生前整理の業者選びについて、以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


悪徳業者の見破り方


生前整理を代行する業者は大小問わず多くの業者が存在し、そのすべての業者が安全で優良な業者とは限りません。
数多ある業者の中には依頼してしまうとトラブルに発展する危険性が高い悪徳業者も多く存在します。そのような業者に依頼しない様に悪徳業者か見破るためのポイントをいくつか紹介します。
インターネットで検索する
1つ目は、依頼しようと思う業者名をインターネットで検索しましょう。
インターネットで検索することで依頼したい業者についての情報や評判を調べることができます。
その際、業者についての情報が少ない、もしくは全く無い場合はその業者は悪徳業者の可能性が高いので依頼しない様にしましょう。
悪徳業者はインターネット上に自社の悪評が広がるのを防ぐために、企業のホームページやSNSが無いことが多いので、インターネット上に情報がない業者に関しては依頼しない様にしましょう。
事前の見積もりをしてもらう
2つ目は、業者に依頼する前に事前の見積もりを依頼しましょう。
事前見積もりについては先述しましたが、業者が事前の見積もりを行わない、明晰な見積もり書を発行しない業者に関しては、悪徳業者の可能性が高いので依頼しないようにしましょう。
見積もりを行わない業者は、必要な車両数や作業員数について、事前の把握を怠り。当日、回収作業が終わらず、中途半端な状態で終了してしまうことも少なくありません。
また見積もり書を作らない業者の場合、見積もり書が無いことを利用して、事前の見積もり時より高額な費用を請求してくる可能性があります。
そのようなトラブルに巻き込まれない様に、見積もりをきちんと行わない業者に関しては依頼しない様にしましょう。
費用が安すぎる
3つ目は、費用が安すぎる業者に関しては、依頼しない様にしましょう。
見積もりの金額が極端に安いと、作業完了後、高額な費用を請求される可能性があります。事前の費用が極端に安いか分かるためにも、複数の業者に事前の見積もりを依頼することが大切です。
複数の業者に見積もりを依頼することを相見積もりと言います。
生前整理の費用は間取りや物量で変動し相場が把握しづらいこそ、相見積もりを依頼することが大切です。
また現場の見積もりをせず、電話や写真のみで遺品整理の見積もりをしてもらうよりも、なるべく現地で見積もりをしてもらうことが大切です。
悪徳業者について更に詳しくまとめた記事を以下に掲載しています。是非、ご参照ください。


優良業者の選び方


優良業者に依頼するために必要なポイントを解説します。
業者の名前を検索する
1つ目は、インターネット上で依頼したい業者の名前を検索することです。
ほとんどの業者は新規顧客獲得のため、インターネット上に自社の名前、住所、電話番号、それらを包括したホームページを掲載していることが多いです。また、自社の実績やクチコミ等をアピールすることで優良さのアピールを行っています。
言い換えれば、インターネット上に自社のホームページがない業者は悪徳業者の可能性が高いです。優良な業者はホームページに掲載している実績が豊富であったり、クチコミの評価が高く、加えて投稿されているクチコミの数が多いです。
事前の見積もりを行っている
2つ目は、事前の無料見積もりを行っていることです。
生前整理を行う前は一般的に見積もりを行うことが多いです。見積もりを行う理由としては、当日派遣する作業員の人数、車両数の目途をつけなければなりません。また回収物と非回収物の区別、業者が依頼者が回収してほしい物を回収可能か否か、それら全てを踏まえたうえで、依頼者が業者に支払う費用を決めなければなりません。
事前の見積もりを行わない業者の場合、作業開始前に提示された費用に加え、依頼者の合意なく高額な費用を請求されたり、回収してほしくない物を回収されたり、作業員数や車両数が足らず、作業が終わらないことが起きてしまうかもしれません。
そのようなトラブルを未然に防ぐために必ず見積もりを行う、その際、複数の業者に見積もりを依頼すること(相見積もり)でトラブルに巻き込まれる可能性を下げることができます。優良な業者は見積もりの際、丁寧な説明を行い、料金体系がきちんと構築されています。また、費用の内訳が一目で分かる明瞭な見積もり書を発行してくれます。
立ち合いを許可する
3つ目は、生前整理の現場作業立ち合いをさせてくれることです。
ほとんどの業者は当日の依頼者の現場立ち合いを許可してくれます。言い換えれば、当日の作業立ち合いを不自然に拒んでくる業者は悪徳業者の可能性が高いです。
そのような業者に依頼すると作業当日に何らかのトラブルに発展する可能性が高いです。優良な業者は作業当日の立ち合いを許可してくれることはもちろん、当日の状況にもよりますが、立ち合いをする依頼者と改めて相談・確認しながら、作業を進めてくれます。
以上のことが複数当てはまる業者は優良業者の可能性が高いです。
まとめ
生前整理で行うことについて説明してまいりました。
生前整理をやることで想い出を振り返り、明日への活力を得て、新しい人生のスタートを歩き出せるきっかけにもなります。
加えて、生前整理を行うことは当事者だけではなくその家族や身内にとっても大切で必要な行為です。もし亡くなった後、資産や財産でトラブルにならないように未然に防ぐ行為でもあり、身近な存在のありがたさを再認識できる行為でもあります。
そしてそのような大切な行為だからこそ、生前整理を業者に依頼することが一般化してきた昨今において、悪徳業者に依頼しないようにより一層の注意が必要です。
もし生前整理を依頼してみようと思う方は、まずは無料の見積もりからご依頼ください。


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