ひどいゴミ屋敷で汚染されていたり、孤独死が発生した部屋を清潔に人が生活できる状態にするために行う片付けや清掃を特殊清掃と言います。
特殊清掃は臭いや汚れが強く、綺麗に片付けや清掃を行うのはかなりハードな仕事です。
そのため特殊清掃業者は常に人材が不足していることが多く、アルバイトを募集している業者が多いです。
しかし、一言に特殊清掃と言ってもどのようなことをしているか分からず、特殊清掃のバイトについて以下のような不安や疑問を持っている人が多いです。

特殊清掃ってどんな仕事?



時給が良いって聞いたけど本当?



特殊清掃のバイトってどうやって探す?
以上のような点を中心に分かりやすく解説していきます。
【本記事のポイント】
特殊清掃の作業内容
特殊清掃のバイト
求人の探し方
特殊清掃とは


そもそも特殊清掃とは何をするのか詳しく解説します。
特殊清掃とは主にゴミ屋敷になってひどく汚れて強い悪臭を放つ部屋や孤独死等で遺体が長時間放置された部屋等、様々な衛生上の問題が発生した家や部屋の状態をゴミ屋敷になる前、孤独死が起きる前の状態に可能な限り戻す片付けや清掃のことを言います。
特殊清掃をサービスとして提供を行う業者には高い専門性が必要なため、様々な資格、またはそれらの資格と同等なスキルや知識が要求されます。
特殊清掃は近年の単身世帯や高齢者数の増加、コロナの流行等、様々な社会情勢によって、需要が増加し、全国に約5000社以上の企業が参入しています。
特殊清掃を行う業者について以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


特殊清掃の作業内容


特殊清掃業者が行う作業は多岐にわたり、また作業内容自体も現場の状況に合わせて変化します。
特殊清掃で実際に行う作業内容について解説します。
室内外の清掃
1つ目は、室内外の清掃です。
孤独死現場、ゴミ屋敷現場は不衛生な環境が起因となり、様々な問題が発生します。特に孤独死が起きた部屋は体液や血液、ゴミ屋敷は長時間放置され腐敗したゴミが原因で、病気や感染症が発生してしまうリスクがあります。
そのような場合を防ぐために、特殊清掃では室内、室外の汚れた場所の清掃を行います。
この作業は特殊清掃最が依頼された場合、最も頻繁に行われる作業の一つで特殊清掃を依頼した場合、必ず行われる作業といっても過言ではありません。
血液・体液の除去
2つ目は、血液・体液の除去です。
孤独死や事故死が発生した場合、亡くなった後の遺体が特に夏場の暑い時期に長時間放置されてしまうと、その遺体から血液や体液が漏れ出てしまいます。それらの血液や体液は害虫の発生原因や、病気や感染症の温床になってしまう危険性があります。
そのため、特殊清掃では血液や体液を除去、消毒、場合によっては体液や血液が染み込んでいる床や壁の張替等の作業を行い、最大限の血液や体液の除去を行います。
異臭・悪臭の除去
3つ目は、異臭・悪臭の除去です。
特殊清掃が必要な現場はとても強い悪臭を放っています。またそれらの臭いは家具や家電、床や壁といった部屋の様々な物に染み込んで、一度染み込んだ臭いは個人で市販されている物を使った脱臭や消臭を行ったとしても完全に取り除くことは難しいです。
しかし特殊清掃ではそれらの臭いが染み込んだ壁や床を特殊な薬液やオゾン発生機等の専門的な機器を利用することで、可能な限りの脱臭を行います。
害虫・害獣の駆除
4つ目は、害虫・害獣の駆除です。
特殊清掃が必要な現場は、ハエやウジ、ゴキブリといった害虫、またそれらの害虫を捕食するネズミ等の害獣が連鎖的に発生します。害虫や害獣は衛生的に問題があることはもちろん、病気や感染症を媒介する可能性もあるのでなるべく早急に駆除しなければいけません。特殊清掃ではそれらの生物を駆除、発生源の除去を行います。
感染症予防のための消毒作業
5つ目は、感染症予防のための消毒作業です。
特殊清掃が必要な現場は先述しましたが、感染症や病気が発生してしまう可能性が高いので、それらを防ぐため特殊清掃業者は専門的な薬品や道具を使い消毒作業を行います。
残置物の撤去
6つ目は、残置物の撤去です。
特殊清掃が必要な現場では必ず撤去、処分しなければならない物が出てきます。例えば、孤独死現場は遺体の体液や血液が染み込んだカーペットや家具、家電、ゴミ屋敷現場だと大量のゴミが原因の悪臭や汚れが染み込んだ家具、家電は撤去しなければならない物です。それらの残置物を特殊清掃業者は回収し、処分してくれます。
これらのサービス以外にも、建物の取壊しやハウスクリーニング、リフォームといった作業を行ってくれる特殊清掃業者もあります。また孤独死やゴミ屋敷等の精神的にも負担が大きい問題をサポートするために臨床心理士や公的な福祉関係機関・団体、専門のNPO等のマッチングを依頼者のその後を考えて行ってくれる業者もあります。
特殊清掃の作業時間


特殊清掃の作業時間は現場状況、作業内容、しなければならない作業工程によって大きく変化します。作業工程が少ない現場だったら1時間程度で終わることもあり、消毒から害虫駆除、床や畳の張り替えが必要な現場の場合、一日で終わらず、2日から1週間程度の長期間の作業になる可能性があります。
作業にかかる時間は各現場毎で異なりますので、大事なのは特殊清掃業者が事前に行う見積もりの際に、依頼しようと思う現場に必要な作業とその作業に掛かる時間について詳細な説明をしてもらうことです。
特殊清掃を依頼した方が良いケース


特殊清掃を依頼した方が良いケースは以下の状態に分類されます。
まず1つ目はゴミ屋敷です。
長年放置され続けたゴミ屋敷の現場では悪臭が強く、また臭いが床や壁に染み込んでいる場合が多いので、その臭いを消すための脱臭作業が主にゴミ屋敷の特殊清掃で行う作業の一つです。
また、ハエやゴキブリ等の害虫が発生している場合は感染症の恐れもあるため害虫駆除の作業と消毒作業を行います。また、臭いが染み込んだ家具や家電を処分する必要が生じる場合、不用品の撤去も行います。そのような長年の蓄積があるゴミ屋敷の場合、特殊清掃を行わなければなりません。
2つ目は事件や事故、孤独死等で遺体が発生した部屋です。
そのような現場は、長期間遺体の腐敗が進むと強い悪臭を放つようになり、また遺体の体液や血液の中には細菌や感染症を媒介する可能性が含まれており危険です。そして、ハエやゴキブリ、ネズミなど血液や体液から感染症を媒介する害虫、害獣も繁殖します。これらの害虫や害獣は繁殖力がとても強く、より一層危機的な状況にならないように、早期に特殊清掃を行う必要があります。
特殊清掃の費用


次に特殊清掃を依頼するのに、必要な費用について解説します。
特殊清掃は主に害虫や害獣の駆除から部屋を汚れた状態から入居時の状態に戻す原状復帰等、多岐に渡る工程を行わなければなりません。また、ゴミ屋敷や遺品整理の作業の異なり、間取り別の費用相場だけではなく、特殊清掃は行う一つ一つの作業に費用を支払わなければならず、費用相場が存在し、その中でも作業毎の費用に大きな差があります。以下が特殊清掃の間取り別の費用相場と作業毎の費用相場になります。
間取り | 費用相場 | 作業人数 |
---|---|---|
1R~1K | 50000~300000円 | 1~2名 |
1LDK~3LDK | 75000~350000円 | 2~6名 |
4LDK~ | 250000~500000円 | 6名~10名 |
ゴミ屋敷(物量が多い) | 500000円~ | 8名~ |
作業内容 | 費用 |
---|---|
体液や血液の清掃 | 45000~100000円 |
基本消臭処理(1K) | 15000~25000円 |
消毒・除菌(1K) | 15000~25000円 |
建具の撤去 | 4000~10000円 |
オゾン脱臭 | 40000~60000円/h |
同じ作業でも現場の状態や汚れの深刻度、また業者によっても費用の差異が存在します。
大事なのは一社に無料見積もりを頼まず、複数の業者に見積もりを頼み、その複数の業者に見積もりを頼み、その複数の業者の中から業者を選択することです。
特殊清掃の費用について、以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


特殊清掃のバイト


次に特殊清掃バイトの時給や作業内容、どういった人が向いているか等、解説していきます。
給料
特殊清掃でアルバイトをする場合、給与面は平均より時給が高いことが多いです。
特殊清掃の時給は1,000〜1,500円の間が多いです。(2024年7月時点の全国のアルバイト・パートの平均時給は、キャリアリサーチLabによると1,249円)
給料面で言えば、他の仕事やアルバイトより良い条件です。
仕事内容
特殊清掃のバイトが行う仕事内容は限られていることが多いです。
特殊清掃で行う内容には、専門性が高く、免許や資格を有していなければアルバイトに血液や体積の除去をさせない業者も多いです、
主に特殊清掃に必要な資格や認可・許可は以下の通りです。
『特殊清掃員』
『臭気判定士』
『防除作業監督者』
これらの資格を有していることで、汚れや血液・体液・臭いの除去を行えることが多いです。
また出てきたゴミや不要品を処分するために『一般廃棄物運搬処理』等を市区町村から業務に必要な認可許可が必要になることが多いです。
そのため特殊清掃のバイトの仕事内容はゴミや不用品・汚れた家具や家電の撤去、運搬を任されることが多いです。
また特殊清掃のバイト現場は、血液や汚れが床や壁に付着していたり、害虫やカビが発生していたりする場合があります。
仕事内容は肉体的にも精神的にもハードなので、誰にでもできる仕事と簡単に言い切ることはできません。
向いている人材
特殊清掃は基本、汚れがひどく臭いも強いです。また荷物や不用品の運搬は体力的にも相当きつい内容のことが多いです。そのため体力や力に自信が無い方には、厳しい仕事になってしまいます。例えば、家具や家電の撤去でエレベーターの無い集合住宅の5階からの運び出しがあったり、大量のゴミを部屋から外まで階段で運ばなければならないこともあります。
そのため特殊清掃を行う業者としては体力に自信のある方が向いていることが多いです。
大学生や高校生は働ける?
特殊清掃は大学生や高校生でも働くことはできます。
もし働きたい大学生・高校生は求人内容に「学生可」「「高校生可」と記載があれば、応募することは可能です。
特殊清掃の求人


特殊清掃でアルバイトしたい場合、求人情報は主に以下の3つで探すことができます。
ハローワーク
特殊清掃のアルバイトの求人情報はハローワークで掲載されていることが多いです。
ハローワークには地元の特殊清掃業者が掲載されていることが多いので、なるべく家の近くでアルバイトを探したい人に特におすすめです。
しかし、ハローワークに掲載されている求人情報は掲載の審査が緩いので、実際に働き出したら求人情報と雇用条件が違ったという話も珍しい物ではありません。
そのようなことが無いようにアルバイト条件について事前に求人を出している業者のホームページやクチコミを調べることが大切です。
求人情報誌
『ジョブアイデム』『タウンワーク』『求人ジャーナル』のような求人情報誌にも、特殊清掃のバイト情報が掲載されていることがあります。
求人情報誌はコンビニやスーパー、駅、役所に置いてあり、ハローワークと同様に地元の特殊清掃業者の求人が多いので、家からなるべく近場で働きたい学生におすすめです。
しかし、ハローワークと同様に求人情報と雇用条件が違うことも多いので働きたい会社の情報を事前に調べることが大切です。
求人サイト
特殊清掃業者の求人情報が一番多いのが求人サイトで探すことです。
求人サイトは主に『indeed』『エンゲージ』『求人ボックス』等があります。
求人サイトは求人情報誌に比べて、掲載料が高い為、会社の規模が大きく、コンプライアンスやガバナンスが行き届いた特殊清掃業者による募集も多いです。
また、求人サイトでは給与面や働き方、通勤手当の有無等を絞り込んで調べることができるため、より自分のライフスタイルに合った働き方を探すことができます。
特殊清掃の求人は時期に関係なく掲載されていることが多いので、もし興味があったら気楽に求人サイトから探すことをお勧めします。
悪徳業者とトラブル


もし特殊清掃でアルバイトをしたいと思って、働き出したらその業者が悪徳業者だったという話は別段、珍しい話ではありません。
近年、需要が増し、さまざまな業者が参入し、業者数が急増している特殊清掃業界では、業者数の増加に比例して悪徳業者も増加しています。もし悪徳業者で働いてしまうと、様々なトラブルが発生してしまう危険性があります。
特殊清掃の悪徳業者で働いてしまった場合に発生しうるトラブルについて解説します。
雇用条件がまったく違う
悪徳業者の場合、雇用条件がまったく違うことが多いです。
例えば、給与面に関しては求人情報に掲載していた時給の金額は会社側が定めた研修を合格しなければ出せない等と言い、最低時給以下で働かされたり、週1から働ける求人情報なのに実際はフルタイムの出勤じゃなければ働けないと言われる等、求人情報と雇用条件がまったく違うことが多いです。
犯罪に加担させられる
特殊清掃では回収したゴミや不用品を業者側が許可・認可を得た地域の処分方法で処分します。しかし、悪徳業者の場合、処分に必要な認可・許可を得ていないことが多く、特殊清掃で出たゴミや不用品を正規の手順で処分せず、勝手に不法投棄している業者も多いです。
もちろん不法投棄は犯罪であり、特殊清掃の悪徳業者で働いてしまうと、このような犯罪行為に加担してしまうことになります。
バイトを自分の意志で辞められない
悪徳業者で働いてしまうと、自分の意志で辞められないことが多いです。
働き始めて、雇用条件や働き方が合わないと思って辞めようとしても、例えば会社側から備品や制服が支給されている場合、それらにかかった費用を会社からかなり高額で請求されたり、雇用条件に退職が可能になるのは働き出してから1年が経過してから等、様々な条件や難癖をつけて退職しないようにしてきます。
上記のようなトラブル以外にも、多くのトラブルが悪徳業者で働き出したら発生してしまう危険性があります。
悪徳業者の見破り方


悪徳業者とのトラブルに巻き込まれない様に自分が働こうと思っている業者が悪徳業者かどうか確認するポイントを解説します。
必要な資格の有無
特殊清掃を行う上で必要な資格を持っているか確認しましょう。
特殊清掃を行う業者の多くは、高い専門性が要求されるため特殊清掃を行う上で、必要な資格を有していることが多いです。
例として一部あげるなら、『特殊清掃員』『臭気判定士』『防除作業監督者』等です。また市区町村から業務に必要な認可許可を受けているかをなるべく確認しましょう。トラブルに発展してしまう可能性が高い悪徳業者の場合、市区町村から認可許可をもらっていない場合が多いです。必須条件として業者がゴミや不用品を捨てるための『一般廃棄物収集運搬処理』の認可許可を市区町村からもらっているかどうかは確認しましょう。
インターネット上に業者の情報が無い
インターネット上に特殊清掃業者のホームページやSNSアカウントが無い場合、悪徳業者の可能性が高いので依頼しない様にしましょう。
特殊清掃は需要が増し、特殊清掃を生業とする業者の数も増えています。
全国に多く存在する特殊清掃業者はで一件でも多くの案件を獲得するために業者のほとんどはインターネット上で自社の実績やレビューを宣伝に利用してます。またSNSを活用するために、自社のSNSアカウントを保有しています。
言い換えれば、インターネット上でまったく宣伝行為を行っていない業者はかなり危険です。宣伝や広告を行うと逆効果、つまり自社のホームページやSNSアカウントを持つと自社の悪評が広まってしまう可能性があるため、そのような行為をしていない可能性があります。ホームページやSNSアカウントを持っていない業者は悪徳業者の可能性が高いです。
求人情報がずっと掲載されている
求人情報誌や求人サイトに更新されず、ずっと応募が出ている求人情報は条件が悪いか、すぐ人が辞めてしまう悪徳企業の可能性もあります。
また一つの情報媒体だけで確認せず、なるべく複数の媒体で求人情報を確認することが大切です。
以上の点を注意して、事前に確認できることは確認することが大切です。
悪徳業者とトラブルについて、また見破り方については以下の記事で詳しく解説しています。是非、ご参照ください。


まとめ
特殊清掃のアルバイトを中心に解説しました。
特殊清掃は孤独死やゴミ屋敷によって汚染された部屋を元に戻すために清掃や片付けを行います。衛生環境の悪い部屋からの荷物の搬出は体力のみならず、精神面の疲弊も少なくないでしょう。
しかし、その分、他のアルバイトより給与面が良かったり、何より特殊清掃を依頼される方は不安やストレスを抱えている方が多い為、特殊清掃を終えた後、心の底から依頼者から感謝されることは何にも代えがたいやりがいです。
もし特殊清掃に興味がある方は一緒に働いてみませんか?
下記サイトからお気軽にご連絡ください。


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